愛して。【完】
…バッカみたい。
これだから不良は、嫌いなんだ。
自己中で、自分勝手で、傲慢で。
自分中心に世界が回ってると思ってる。
まぁ、全ての不良がそうなのか、と聞かれるとそんなこと知ったこっちゃないと思うけど。
「来いよ」
そう言って、肩に置いていた手をあたしの腕に持ちかえるその男。
何で?!と言うあたしの言葉を遮る様にして歩き出した男に、あたしは開いた口が塞がらない。
ケイくんは、と思って後ろを振り返ると、慌てた様に走り去って行くケイくんが見えた。
…ケイくん、ヘタレだな。
そんなに不良が怖かった…のかな。
まぁ、確かに不良に面識がある様な顔はしてないけど。
あんなにやる気満々な感じだったけど、あくまで爽やか男子だからねぇ。