愛して。【完】





その車の後部座席からドアを開けて出て来たのは、あたしの予想通りの人物で。


銀の瞳をいつも以上に冷たくしてあたしを見ている。




「れ、ん…」




ポツリと小さく呟いた声は、誰にも届かない。


ただ、あたしの目にはしっかり口を動かしている蓮が見えていて。




「真梨、乗れ」




その声が聞こえたと同時に、後ろにいた光に体を押された。








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