愛して。【完】





押されて前屈みになったまま前へ出るあたしの体は、そのまま連に引っ張られることで車へと収まる。


もう、どうしようもない。


そんなことを思いながら、あたしは入れていた体の力を、フッと緩めた。









――空気が、重い。


車の中の空気が、半端なく重い。


何で重いって、そりゃあ…人選ミスでしょう!!


いや、ある意味あってるんだと思うけど…


何で、今こんな雰囲気…?




ふぅ、と隣にいる二人にばれないように息を吐く。


後部座席の真ん中。


あたしが座っているそこの左には、俺様な蓮。


右には、まあまあ良く喋るエロ大河。


うん、普通だったら間違ってない人選だと思う。


だけど…だけどねぇ?


どうしてこんなに空気が重いわけ?!








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