愛して。【完】





でも、睨んでも蓮は何も言わなかった。


何も言うつもりは無いんだと思う。


その行動が、蓮の中でどう言う意味を示しているのかなんて、あたしにはわからないけれど。


ただ、そんなあたし達を見ている周りには溜息を吐くことしか出来なくて。




「後は颯に叱ってもらうか…」




そう言ったタカを、本物のバカだな、と思った。


だって、颯はきっとあたしを怒らない。


いや、きっとじゃない。




“絶対”だ。








そう、絶対。


だって、颯は絶対。


誰よりも“仲間思い”だから。


“仲間思い”だから、あたしに何も言わないだろう。






颯は“仲間思い”


それは、絶対。


もし違ったとしても、あたしはそう思ってる。


少なくとも、あたしはそう思ってるから。







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