愛して。【完】
ガチャッと、扉を開けて風呂場へと入る。
昨日と変わらず真っ白なそこは、鏡だけがあたしを映していた。
鏡に映るあたしは、カラコンを取ったために青の瞳。
スプレーでアッシュブラウンに染められた髪は、お湯を掛けたことによってハニーブラウンに戻った。
シャンプーで髪を洗いながら、あることを考える。
――そう。
颯のことを。
颯は“仲間思い”
だから、あたしを怒る必要が無い。
そう、怒らないのではなく、怒る必要が無い。
――全て、逆なんだ。