愛して。【完】
仲間思いの逆。
それは、仲間以外の奴はどうでもいいってことだとあたしは思う。
あたしが思うに、本当にその人のことを仲間だと、大切だと思っているなら、悪いことをすれば怒ると思う。
まぁ、今回のことが悪いことかと言われればどうなのかわからないけれど。
でも、タカは怒ってた。
“全て”に怒ってたらしく、あたしには意味が分からなかったけれど。
逆に、颯は怒らなかった。
あたしの勝手な憶測だけど…あたしだから、怒らなかったんだと思う。
例えば、これがあたしじゃなくて隼とか、タカだったら間違いなく颯は怒鳴ってただろう。
…タカと、同じように。
要するに、あたしが言いたいのは颯はあたしのことなんてどうでもいいと思ってるってこと。
颯は、あたしを知り合い程度にしか思ってないってこと。
まぁ、あたしとしてはそれは助かるんだけど。
変な感情を持たなければ、ここから出て行くとき何も思わなくて済むから。
悲しいなんて、思わなくて済むから。
…そんな感情、いらないから。