愛して。【完】
調べた後に、ちゃんとロックもかけた。
俺は認めたつもりなんてないけど、一応獅龍の“姫”だから。
何かと情報が漏れたら困る。
だけど、俺が面倒見るのは情報だけ。
それ以外で真梨ちゃんがどうなろうと、どうでもいいし。
――なんて、思ってたのに。
何で、この俺が真梨ちゃんの後始末なんてしなければならなかったのだろう。
まぁ、ほとんど虎太郎がしてくれたから楽だったけど。
でも、相手は厄介だった。
真梨ちゃんを連れて行こうとしていたと言う男。
そいつは、“邪鬼”の下っ端だった。
“邪鬼”って言うのは、俺達“獅龍”と敵対関係にある族の一つで。
県下一である俺達の一つ下。
一応、この県では№2と言うことになる。
薬だとか強姦だとか言う、黒い噂が絶えない俺達と正反対の族で、もちろん、喧嘩だって素手じゃない。
俺達は素手で戦うが、相手は武器を持ってる。
だから、毎回抗争が起きた時は手古摺ってる。
まぁ、俺達の方が強いのは目に見えてるんだけど。
でも、こんな奴等が県下№2だなんて、ここも落ちぶれたもんだ…