愛して。【完】
「邪鬼…って、あの?」
俺の言葉に口を出したのは、隼。
「あぁ。あの“邪鬼”だよ」
それは、俺達への宣戦布告。
仮にも俺達の姫である真梨ちゃんをさらおうとした。
多分…いや絶対、真梨ちゃんをエサに脅して俺達に勝とうとしていたんだろう。
と言うことは…俺達は、“邪鬼”に喧嘩を売られた。
俺達は自分から喧嘩は売らないが、売られた喧嘩は買うと決めている。
喧嘩を買うということは、抗争が起こる、と言うこと。
喧嘩は、久し振りだ。
最近あまりしてなかったからなぁ~…
獅龍の面子と手合せ、とかならしてたけど。
それとこれとは、全然違うし。
久しぶりの喧嘩が楽しみで。
心の中で、フッと笑った。