愛して。【完】
黒が多いその部屋で、白い肌をさらしている真梨ちゃんは異質のようで。
汚れを感じさせないくらい、綺麗で。
妖艶な色気を纏っていて。
なぜ、男達が真梨ちゃんを求めるか、わかった気がした。
でも、それはわかっただけで。
俺は真梨ちゃんを認めない。
――そう、思うのに。
何で、真梨ちゃんはそんな目で俺を見るんだろう。
「颯」
「何?」
「あたしと颯は、同じじゃないよ。全然、似てなんかないから」
――…一瞬、コイツ何言ってんだ、と思った。
でも、真剣で真っ直ぐな瞳は俺を見詰めていて。
冗談なわけじゃないんだ、と悟った。