愛して。【完】





「いわゆるチェーンメールが出回ったんだ。真梨ちゃんが獅龍の姫になったことが記された、チェーンメールが、ね」




笑顔を崩さずにそう、説明したけれど。




「だから、どうしたの。何か起こるわけ?」




俺の説明では、意味がわからないらしい。


まぁ、遊び人とは言っても、一応一般人だからね。


わからなくても仕方がないか…


思わず出て来てしまいそうな溜息を飲み込んで、口を開いた。




「真梨ちゃんは女だから、男には敵わないでしょ?
だから獅龍に姫がいると知った俺達と敵対している族が真梨ちゃんを利用して、獅龍を潰そうとして来るかもしれないんだ」


「利用する…?」


「うん。拉致られる可能性は十分ある。もし拉致られたら、回されるかもね」




そう言いながら少し笑って、「真梨ちゃんだから大丈夫でしょ?」と嫌みの様に付け足す。


まるで、“遊び人の真梨ちゃんだから、別に回されても平気でしょ?”と言う様に。







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