愛して。【完】
「話は…それだけ?」
いきなり口を開いた真梨ちゃんに、え?と言う様に視線を移す。
「だから、言いたいことはこれだけかって言ってんの」
そう言いながら、真梨ちゃんは俯いていて。
何を考えているのか、わからない。
「ちょっと、颯?」
真梨ちゃんに名前を呼ばれて、ハッと下げかけていた目線を元に戻した。
戻した視線の先の真梨ちゃんは、もういつも通りに戻っていて。
「うん。別に、もう言いたいことは無いよ」
俺はニッコリ笑って、そう言った。
それを見て真梨ちゃんもソファーから立ち上がる。
そのまま歩いていく先には総長室。
寝るのだろうか、と思いつつ、俺はそれを止めた。