愛して。【完】
「真梨ちゃん、夕飯は?」
「…いらない。適当に食べたし」
俺の言葉にそう返事をすると、真梨ちゃんはそのまま俺達に背中を見せて総長室に入って行く。
…つーか、真梨ちゃん朝だってカフェオレしか飲んでないし、昼飯だって食べてないでしょ?
夕飯だって、食べたって言っても1人分食べたか食べないかだろうし…
そのうち餓死するんじゃない?
餓死されて困るのこっちなんだけどなぁ…
どちらにしろ、俺には関係ないと思うけど。
――でも。
見えた背中は小さくて、儚くて。
同類だとか、
認めるだとか、
守るだとか、
そんなの関係なく――…
ほっとけない、気がした。
【颯side end】