愛して。【完】
いや、流石に菜穂でもこんな話の時にそんな内容持って来ないか。
「別に~?あたし的にはアイツ等、どうでもいいし」
「そっか…」
そう言った菜穂の声は、何だか消えてしまいそうなほど切なく感じて。
「菜穂、どうかした?」
そう問えば、菜穂は明るい声色で「なんでもないよっ」と答えた。
そんな菜穂に少し違和感を抱いたけれど。
そんなことを気にする暇もなく菜穂が話し始めたから、その思考は遮断された。
「てか、ほんとに気を付けてよ?姫ってことは、沢山の人に狙われてるってことなんだからね?」
「ん~、わかった」
「本当にわかってるの!?」
「わかったって…」
さっきから菜穂は、ずっとこの話。
しつこすぎてウザったい。