愛して。【完】
「あ、え…!?」
混乱して、言葉が出てこない。
何で、蓮がここに?
しかも、何であたしが蓮に抱き着いてんの?
あたし、もしかして――…
「寝てた?」
ポツリ、呟く。
あたしの記憶は菜穂との電話の後からポッカリ抜けていて、一番新しい記憶は、あの温もり。
寝ぼけて蓮と菜穂の温もりを間違えたんだとしたら…
だとしたら、蓮に抱き着いて寝ていたこととも辻褄が合う。
てか、そうすると今って朝か。
勝手にそう納得し、パッと蓮から離れる。
「寝てた?じゃねーだろ。爆睡だ、爆睡。
この俺様を抱き枕にしやがって…」
なんかよくわかんないけれど、昨日不機嫌で全然喋んなかった蓮が良く喋る。
しかも、ちょっと怒ってるみたいだし、すっごい俺様発言が聞こえた気がする。