愛して。【完】





睨み付けながらそう問えば、怒っているのか顔を真っ赤にして、




「あたしのこと知らないわけ?!あり得ないんだけど!!」




と怒鳴り始めた。


てか、そんなに有名なの?

この女。


確かに顔だけならずば抜けてるかもしれないけど。




「あんた、ちょっと調子乗りすぎなんじゃない?
可愛いからってあんたみたいな淫乱女がいていい所じゃないんだよ、獅龍はっ!どうせあんたが付きまとってんでしょ?!」




可愛いってのは否定しないんだな、この女――…あ。


うるさい女共の後ろの方に二つの人影。


光と…虎太郎?




じっと光を見つめれば、あっちもこっちを見ていたようで、バチっと目があった。




「ちょっと、どこ見てんのよ!聞いてんのっ!?」


「あーはいはい、聞いてる聞いてる」




そう言って光達から視線を逸らすけど、2人の視線を痛いほど感じてしまう。




「あたし、蓮さんに抱かれたこともあるのよ」






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