愛して。【完】
「ちょっと、あれ…」
「え、やだぁ!蓮様がぁ」
「本当だったのかよ?!真梨ちゃんが志摩蓮斗一人に絞ったって!!」
「ありえねぇだろ…」
“嫉妬”
“好奇”
“驚愕”
“疑問”
たくさんの視線が投げかけられる中、蓮の胸に顔を埋める。
その行動に、大した意味は無い。
ただ、その視線から少しでいいから逃れたかった。
――なんだか、今日のあたしは弱い。
「あたしを見てくれる人なんて、ほんの少ししかいないってことよ」
そんなこと、当たり前なのに。
わかりきってることなのに。
何で、光にこんなことを口走ったのか、わからない。
ただ、息苦しくて、苦しくて――。
これが何の感情なのかすら、あたしにはわからないんだ。