愛して。【完】
少しの沈黙。
その沈黙を破ったのは颯だった。
「…で、あのメール何?」
タカから颯に送られてきたメールは、真梨が昔栄養失調で病院に運ばれていたことを親父さんから聞いた、と言うことと、今もあまり変わっていなく栄養失調気味だと言われたことが書かれていた。
でも、颯が聞きたいのはメール内容の詳しいことじゃなくて、それを聞いてこれからどうするのかだろう。
そのことに、ここにいる奴は全員わかってる。
蓮もタカも大河も俺も、わかってる。
そして、それに答えるのはもちろん蓮だ。
「取り敢えず、健志さんに言われた通り、三食少しでも食べさせようと思ってる」
「そう簡単に食うか?」
反発するように大河が口を開く。
「食わねぇと思うから、“箸”買いに行かせたんだろ」
「“箸”って…確かに買いに行ったけど、それが何で食うことにつながるんだよ?」
大河の言葉に、蓮が嘲笑うように笑う。
「真梨の性格上、食うだろ。あいつは自分を求めてほしい――居場所が欲しいだけなんだから」