愛して。【完】





蓮の言葉に、誰一人何も言えなくなった。








確かに真梨は、自分を求めてほしいのかもしれない。


俺が自分を認めてほしかったように、真梨は自分を求めてほしいのかもしれない。




「よしっ、夕飯でも作るか」




そう言って立ち上がったタカが、




「隼、手伝って」




そう言えば、俺は小さく頷いていた。








それから、つまみ食いをしに来た大河と様子を見に来た颯を巻き込んで、沢山の料理を作った。


ちなみにほぼ全部タカが作り上げ、それを机に並べて後を颯とタカに任せると、俺は地面に、大河は二人掛けソファーに座った。




それにしても…お腹、空いた。




「なぁ蓮、まだ食べたらダメ?」


「ダメだ」




蓮はみんな揃ってからじゃないと食べたがらない。


それはわかっているけれど、聞いてしまう。


だって、お腹が空くんだから仕方ない。




自分で持って来た自分の箸を口に咥えて、まだかまだかと待っていれば、そうっと総長室の扉が開いた。





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