愛して。【完】
「…コレ何?」
そう問いかけた真梨はお風呂に入ったみたいで、昨日と違ってジャージを着ていて、髪はハニーブラウン、碧眼のブルーの瞳をパチパチさせている。
怪我をしたらしい足は痛むのか、ひょこひょこ歩いている。
俺より小さい真梨は、やっぱりなんだか儚い。
そして、昨日と違ってジャージのことに少し安堵した。
「何って、夕飯だけど」
タカが答えれば、真梨はへぇ、と声を漏らす。
「今から食べるの?」
「あぁ」
真梨の問いに蓮が返事をすると、真梨はテーブルに置かれた料理へと視線を向ける。
数秒それを見詰めると、何が気にくわないのか、眉間に皺を寄せた。
何が――なんて、だいたいわかるけど。
どうせ、量が多すぎるとかそんなことでも考えてるに決まってる。
「真梨?」
タカが立ったままの真梨に声を掛ける。
つーか…お腹空いて死にそう。
手に持った箸が、まだかまだかと待っている。
だけど、
「ごめん、あまり食欲ないしいらない」
その言葉に、大きく胸が音をたてた。