愛して。【完】





話を切り替える声に、ゆっくりと視線を上げる。




ハニーブラウンの髪に、碧眼の瞳。


本当の姿であろうそれに、驚いたことは否定しない。


でも、何だか納得してしまったんだ。


日本人離れしたその容姿には、これが一番しっくり来る気がして。




「何でここに連れて来たの?」


「話してみたかったから」




…話してみたかった。


そう、昔から――…








―――――――――――――
―――――――――
――――…




水川真梨が有名になり始めたのは、蓮さんが中学一年の頃。


俺が小学校六年の時だった。


俺と光は昔から仲が良くて、もう一人の女の幼なじみと3人一緒だった。




“遊び人”のレッテルを張られていた水川真梨。


中学に入ってから、俺ともう一人の幼なじみが同じ学校で、光だけが隣の学校だった。


そのかわり、俺と光は毎日のように夜通し遊ぶようになっていた。


でも、その時に水川真梨を見かけたことは無かった。




そんな俺が初めて水川真梨を見たのは、中学二年の時。


丁度俺達が獅龍に出入りするようになった頃だった。






< 303 / 404 >

この作品をシェア

pagetop