愛して。【完】





星宮千早の言葉で、体に入った力を抜いた。


もうどうでもいいや、と。


この数日あったことなんて忘れればいい。


今朝あったことなんて忘れればいい。


あたしは“水川真梨”でしかない。




「なら…する?気持ち良くなろうか」




薄ら笑いを浮かべて、星宮千早に顔を近付ける。




「でも…」




そのまま、軽くキスをした。


「優しく、シてね…?」











「ふふ、ほんとに聞いたとおりだね」


「え……?」


「でも、それじゃつまらないでしょ?」




――ブチッ




星宮千早が、あたしのカッターシャツを引き裂いた。


ボタンが弾け飛ぶ音がして、ベッドにそれが転がる。




「……っ」




――イ、ヤ。





< 331 / 404 >

この作品をシェア

pagetop