愛して。【完】
星宮千早の言葉で、体に入った力を抜いた。
もうどうでもいいや、と。
この数日あったことなんて忘れればいい。
今朝あったことなんて忘れればいい。
あたしは“水川真梨”でしかない。
「なら…する?気持ち良くなろうか」
薄ら笑いを浮かべて、星宮千早に顔を近付ける。
「でも…」
そのまま、軽くキスをした。
「優しく、シてね…?」
「ふふ、ほんとに聞いたとおりだね」
「え……?」
「でも、それじゃつまらないでしょ?」
――ブチッ
星宮千早が、あたしのカッターシャツを引き裂いた。
ボタンが弾け飛ぶ音がして、ベッドにそれが転がる。
「……っ」
――イ、ヤ。