愛して。【完】
「よっぽど志摩は真梨ちゃんが大事みたいだね」
星宮はフフッと笑ってあたしに視線を移す。
そして、肌蹴たままのシャツから覗く胸元に、手を滑らせて。
「まあ…お楽しみは終わっちゃったけど、ね?」
びくりと、大きく体が揺れた。
「星宮…、てめぇ……」
蓮のいつもよりもはるかに低音の声が響く。
星宮がなぜ蓮を挑発するようなことを言ったのかはわからない。
ただ、蓮から放たれるオーラが突き刺すように痛くなったのはわかった。
「そんなに怒んないでよ」
また楽しそうに笑って、ねぇ真梨ちゃんとあたしに顔を近付けてくる。
痛すぎるほどの視線を獅龍の方から浴びせられて、体が固まる。
この視線の中に蓮の視線も入っているのかと思うと、泣きそうになった。
――嫌だ、と体が震えた。
蓮に見られたくない、と心底思った。
「や、やだ…!!」
自分の声が無性にそこに響いた気がして、星宮はごめんね、と小さく呟くと。
「いや、蓮…っや………んっ」
乱暴に、唇を塞いだ。