愛して。【完】





蓮さんは何も言わず、星宮を睨み続けるだけ。




「よっぽど志摩は真梨ちゃんが大事みたいだね」




星宮はフフッと笑って水川真梨に視線を送る。


そして、肌蹴たままのシャツから覗く胸元に、手を滑らせて。




「まあ…お楽しみは終わっちゃったけど、ね?」




水川真梨の体が、大きく揺れた。




「星宮…、てめぇ……」




蓮さんのいつもよりもはるかに低音の声が響く。




星宮、今なんて言った?


お楽しみは終わった?


終わったって…水川真梨と寝たってことかよ?


きっと、そんなこともうここにいる全員理解している。


俺だって、だ。


ただ、蓮さんから放たれるオーラが突き刺すように痛くなった。




「そんなに怒んないでよ」




また楽しそうに笑って、星宮は水川真梨に顔を近付ける。


ただただ、俺達はそれを見ているしか出来なくて。


悔しくて悔しくて、拳をグッと握りしめた。




「や、やだ…!!」




水川真梨の声が無性にそこに響いた気がして、ハッと水川真梨を見るけれど。


水川真梨は変わらず、震えていて。


ただ、いつもとは違ってその行為に拒否を示していた。




「いや、蓮…っや………んっ」




なのに星宮は、水川真梨の唇を乱暴に塞いだ。


それはもう、あっという間に。






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