愛して。【完】
「……バカだろ」
そう言う俺に、真梨は不安そうな顔をする。
「え?」
「お前…バカじゃねぇの……」
不意に詰まりそうになる言葉を必死に紡ぐ。
コイツ……俺のこと泣かす気だろ…?
「光?」
「うるせぇ、ちょっと黙れ」
一緒にいたいとか、
仲間になりたいとか、
大好きだとか、
本当、お前はバカだ。
「泣いてる…?」
「なわけねぇだろ、バカ」
「バカバカ言わないでよ。光の方がバカでしょ」
「うるせぇー」
バカ言うんじゃねぇ。
お前の方がよっぽどバカだ。
だって、
「お前はもうとっくに俺等の仲間じゃねぇのかよ?」
お前が俺等の姫であることは変わらない事実。
「もうみんな、わかってるよ。お前がただの遊び人じゃないことくらい」
「嘘……」
ポカンとしている真梨に、だからバカなんだよ、と言えば、やっと本当だと理解したのか嬉しそうに目を細めて笑った。
【光side end】