愛して。【完】
電話を切ってから、真梨の乗っている車を置いて廃工場に入る。
入った途端に見えたのは、蓮さんと星宮。
蓮さんの一方的な攻撃。
星宮はそれを的確に避けるだけ。
やっぱり星宮は俺達と戦う気がないのか…
「光」
呼ばれて声の方に向けば、そこには大河さん。
「なんですか?」
「真梨は?」
「ああ…車にいますよ。もう震えも止まってて大丈夫そうです」
「あっそう」
そう言って大河さんはチラリと入口の方を見る。
大河さんも真梨が心配らしい。
まあ……当たり前か。
大河さんにとっても、真梨が大事な人になっていることに変わりない。
「ところで…これは?」
「ん?ああ……蓮と星宮?」
コクンと頷く。
「なかなか決着つかなくてよ~。さっさとしろってなぁ?」
ふざけた様に言う大河さんに、少し笑う。
「星宮に至っては殺る気ねぇみてぇだしな」