愛して。【完】
「蓮……」
「ん?」
「本当ありがとね…」
「ん」
ああ、本当蓮のこと好きだ。
低い声も、
ツンとした匂いも、
厚い胸板も、
筋肉質な腕も、
切れ長な目も、
痛みを知らない黒髪も、
強引で俺様な性格も、
全部があたしの心を心地良く高鳴らせる。
大好き。
本当に本当に、
「蓮、好き」
思わず声に出していた想い。
それが何を言ったのか頭が理解するよりも前に、あたしの唇は蓮によって塞がれていた。
軽く啄むような、可愛らしいキス。
焦らすようなそれは、あたしの唇にリップ音をたてて離れてはまたくっつく。
「蓮…っ」
もっと深いそれが欲しくてその名を呼べば、蓮は嬉しそうに顔をクシャクシャにして笑った。
「俺も好きだ」