愛して。【完】
「ちょ、蓮?!どこ触ってんのっ!」
無理矢理唇を離して、睨みあげる。
「いいだろ別に」
だけど蓮は手を止めない。
あたしを包んでいた毛布も剥ぎ取って、光が止めてくれた蓮のブレザーのボタンもあっという間に外していく。
「れ、れんっ」
静止を求める声も気にしない蓮は、あたしを真っ直ぐ見る。
「星宮に何された」
「え?」
「襲われかけたんだろ。何された」
本当は言いたくないのに、あたしの体を捕まえる強い力は有無を言わせない。
「蓮…」
「早く言えって」
「で、でも」
「いいから」
強引な言葉に口を尖らせる。
「別に、大したことされてないよ」
「言え」
語尾の強さが増して、蓮から目を逸らして思い出した出来事に開く唇が震えた。