愛して。【完】
「押し倒されて…」
「ん」
震えたまま紡ぐ言葉に、蓮が優しい声で相槌する。
「服破かれて……」
「…ん」
「首…舐められて…」
「ん、」
「キス、した」
あたしの最後の言葉を聞いて、苦しそうに顔を歪める蓮。
「キス、したのか?」
幼い子に聞くような言い方で、あたしの頭を撫でながら言う。
顔を俯けて、小さく頷く。
「真梨からしたのか?」
そうだよ。
あの子供みたいな触れるだけのキスをした。
あたしの、遊び人“水川真梨”のキスをした。
また小さく頷いた瞬間、蓮はあたしの顔を手の平で挟んで無理矢理あげる。
そこには切なそうに苦しそうな顔をしている蓮がいて。
「俺にも」
「え…?」
「俺にも真梨からキスしろよ」