愛して。【完】





「そう言えば真梨、足どうなんだ?」




そう言うタカの視線の先には、あたしの捻挫中の足。




「んー、あんま変わりないよ」




怪我した当初と変わらない。


昨日は痛いとかそんなこと思っている余裕なかったけれど、安心した途端ズキズキと再び痛んできたそれはやっぱり無理に動かすと痛い。




「ふーん、悪化はしてねぇんだよな」


「うん」




うーん、と考え込むようなしぐさをするタカ。


どうせ昨日星宮に無茶されたならもっと酷くなってると思ってたんだろう。




「それよりタカ、蓮どこ?」


「え、蓮っ?!」


「……」




何その反応。


吃驚しすぎなんじゃないの?


ジトーと、タカを見る。




「や、蓮ならすぐ帰ってくると思う!!ほんとに、うん」


「…怪しい」




目も合わせようとしないし、焦ってるのかいつも以上に声大きくなってるし。


これは……




「嘘でしょ、タカ」




どこから嘘なのかはわからないけれど。





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