愛して。【完】
「…頑張る」
とりあえずそう言ったあたしを蓮ばジトーと見てくる。
「隙見せるのは、俺の前だけにしろよな」
「う、ん」
見えた瞳は、銀色。
それを見詰めれば見詰めるほど、胸の奥が疼いて来る。
「蓮…」
「ん?」
「キス、したいな…」
自分でも吃驚するくらいすんなり出てきたその台詞は、すぐさま蓮によって塞がれる。
深く深く、奥へ奥へ。
絡まり合う舌は、互いを確かめ合うように答えあう。
「れ、ん……もっとぉ…」
「煽んな、馬鹿」
「馬鹿じゃ、ないよ…っ」
反抗すれば、うるせぇ、とまた口を塞がれる。
でも、こんなやり取りも良いかな、って。
こんな風にいちゃついてても良いかな、って我ながら馬鹿みたいなことを思う。
「蓮、」
「ん?」
こんなに好きにさせたんだから、
『責任とってよね』
囁いたその言葉の真意に、蓮はきっと気付いている。
だって蓮は、それを聞いて意地悪そうにニヤリと笑ったから。