愛して。【完】
「はい……っ」
思わず、そう答えていた。
迷いなんか無かった。
気持ちは、昨日から一つも変わってない。
昨日光に言ったことは、なにもあたしの中で変わってなんかいない。
仲間にしてくれて、ありがとう。
照れくさくて、言えなかったけれど。
あたしの心の中で、呟いた。
あたしの返事を聞いて、光はぺこりと頭を下げる。
それを見てあたしも頭を下げて。
零れそうになった涙を、手で拭った。
顔を上げると、光はもう元の位置に戻っていた。
「普通はさ、こういうの言うのは副総長なんだけどよ」
手摺によっかかったまま、大河が言う。
「光がどうしてもって言って、颯に変わってもらったらしいんだよなぁ」
大河の言葉を最後まで聞いて、また泣きそうになったけれど、グッと堪えた。
「次に、総長、志摩蓮斗」
呼ばれた名前に、横に立っている蓮を見ると目が合った。
合わさった視線は、逸らすことが出来ない。
肩を掴まれて蓮と体ごと向かい合わせになると、蓮はあたしの髪を撫でた。