愛して。【完】
フッと笑って、ビルが覆われているマジックミラーに映った自分の姿を見る。
そこに映るあたしは、
クルクルのハニーブラウンの髪が胸まで伸びていて、
小さな顔の中にあるクリッとした二重の瞳はピンク色。
その姿を見て、ふと思い出す。
――あぁ、そっかあたし…
“今日は”この姿なんだっけ……
ボーッと、眠たくなってきた頭で考える。
只今の時刻、深夜の3時。
…眠い筈だ。
やっぱり、今日の男はハズレだったかな。
結構いいテクしてたけど、ヤりすぎ。
次ヤる時は、もうちょっと早くに終わるようにしよう。
なんて思いながら、颯爽とホテル街を去る。
こんな所に制服を着た女子高生一人なんて、援交目的に思われても致し方ない。
あたしは歩く足を速め、自分の住むアパートへと急いだ。