愛して。【完】
…って、あたし、つられちゃダメー!!
って思うけど。
あたしに、拒否権は無いらしく。
「昼飯食ったら出かける。そん時に家引き払って、必要なもんだけ持って来い。で、服とかは繁華街で買い揃える」
…あたしが住むことは決定なんだね…
本当に拒否権ないんだね…
うぅ~…と唸りながらも、颯によって出された、昼ご飯らしいコンビニのパンに噛り付く。
そんな中、あたしのケータイが鳴った。
鞄からプライベート用のケータイを取り出し、ディスプレイを見て慌てた。
だって、それは――…
唯一信じられる女である、親友の西条菜穂【さいじょうなほ】からの着信だったから。
いや、プライベート用だから、菜穂以外からの着信なんてカスなんだけどさ。
慌てて思わず颯を見ると、ニッコリ笑ってどうぞ?と言ってくれた。
そんな颯にホッとして、あたしは電話に出た。