愛して。【完】
「んぁ……もっとぉ……」
小さなアパートの一室。
リビングともいえない、一つの部屋しかないそこに、女の淫らな声が響く。
そこにいるのは、声の主である女とその女に跨る男、そして――…まだ幼い、少女。
その少女は先日5歳になったばかりだが、それにしては大人びており、その年で男を魅了するものがあった。
そして、跨っている男も、その一人であった。
「可愛いね、名前なんて言うの?」
帰り際、そう聞く彼に少女は何も答えない。
わかっているのだ。
答えて数年後――…この男が自分に何をしようとするか。
そんな男は、このアパートに山ほど来る。
その殆どが、数年後の少女の成長を待ちわびて来ている男達だった。