愛して。【完】
あたしはというと、この状況に呆気にとられていて、試着室の傍まで来たみんなが笑っている。
「ちょっと。何笑ってんの。っていうか、自分で服は決められないわけ?」
「俺が買うんだから、俺が決めるに決まってんだろ」
蓮の俺様発言にあっそ、と答えるけど、この男…下着まで自分で決めるなんて言わないよね?
それこそデリカシーもあったもんじゃない。
下着だけは自分で決めよう、と決意した。
しばらくすると、店員が戻ってきて服を手渡すと、「ごゆっくり~」といってカーテンを閉めた。
あたしは絞められたカーテンをしばらく眺めると、服に視線を戻した。
渡された服は、子花柄シフォントップスに、デニムサロペット。
ショート丈のサロペで、足が出る様になってる。
あたしはそれを着て、カーテンを開けた。
カーテンを開けると、お姉さんが「お似合いですよぉ♪」とにっこり笑う。
みんなはというと、呆気にとられていて、顔が赤くなってる奴も数名。
お姉さんが蓮に「どうですか?」と聞くと、「次」と言って、お姉さんは次の服をあたしに渡してカーテンを閉めた。
…ていうか。今の服はどうだったんだろうか。
結局買うのかな?
と思いながら、次の服を見る。