愛して。【完】
朝、窓から差す太陽の光で目が覚めた。
体を起こして、ブルッと体を震わせる。
…久し振りに、ヤな夢見ちゃった。
冷や汗で体がベタベタしてる…
枕元に置いてあるデジタル時計を見ると、時刻は9時30分。
…学校、行かなきゃ……
そう思ったあたしは、のそりとベッドから降りた。
9時30分って、どう考えても遅刻。
急がなくてもいいの?って思うかもしれない。
でも、あたしが行っている高校は、ここ等辺で有名な不良校・北星高校【ほくせいこうこう】。
遅刻したぐらいでどうこういう高校じゃない。
偏差値も低く、ケバい女と不良男の集まりだ。
なぜあたしがそこに行ってるって、別に頭が神級に悪いとかそんなんじゃない。
どちらかというと、頭はいい方だと思う。
狙おうと思えば、難関の進学校だって行けた。
それでもこの学校に入ったのは、家から近く、繁華街やホテル街にも近いから。
その難関の進学校は家から遠い。
ただでさえ家を追い出された時に母親から貰った金で生活してるのに、交通費なんて出せるわけがない。
バイトすればいいんだろうけど、そうすると遊べないしね。
こんな所まで根っからの遊び人だな~、と笑みが零れた。