愛して。【完】
部屋の中で一番目立つ物は、黒のキングサイズのベッド。
……あたしが拘る一つ、ベッドである。
あたしは広くて、出来るだけ落ち着いた色がいいと思ってる。
黒とか、白とかね。
…このベッドでするのって、どんだけ気持ちいんだろう……
何て考えてみるけど、フルフルと頭を振って、その考えを頭の中から消した。
他にこの部屋にあるのは、
ガラステーブルと、黒の二人掛けソファー。
それから、黒の全身鏡と奥にはお風呂やトイレも設備してあるみたいだ。
「蓮、ここって…?」
「総長室」
ですよね~…
部屋の中を見渡していると、蓮はあたしを話してお風呂の方へ入っていく。
しばらくして出て来ると、「今風呂沸かしたから、5分くらいで沸く」…だってさ。
結局あたしは、ここで風呂に入るんだね。
あれ、でもさぁ…
「他の人は、どこではいるの?」
「…この倉庫には、風呂は2つしかねぇ。総長室の風呂と、他の奴が入る大浴場がある。大浴場は覗かれる可能性があるから、お前はここで入れ」
「…そう」
大浴場…ねぇ?
あのさ、思ったんだけど…
何でこの倉庫に、幹部室やら総長室やら大浴場があるわけ?!
暴走族は、金持ちなのかしら…?