大好きなキミへ
「ねぇ、今日帰りにみんなで遊ばない?」

「あ、いいねー。」

1人が言い出すと、みんなが賛成する。

「まいるは?」

心の中では、めんどくさいと思う。今日は、家でのんびりしようと思ってたのに。

でも、

「うん、いいよ。」

と言う。

みんなの仲間はずれにならないためだけに。

独りぼっちにならないためだけに。

それだけのために、自分のしたいこと、自分の思ってることは胸に閉じ込めてきた。

「どこ行く?」

「駅にできたカフェはー?」

「えー?あたしダイエット中。」

「まいるは?」

いつもだ。みんな、意見を言わないあたしに必ず『まいるは?』と聞いてくる。

グループの中の1人にでも、機嫌を損ねるのが怖いんだろう。

「どこでもいいよ。」

「あはは、まいるいつもそうだよねー。」

みんなが何を考えているかわかんない。

自分のことも、分かんなくなってくる。

高校生活、ホントに楽しいのか分かんないよ。
< 2 / 55 >

この作品をシェア

pagetop