メガネ君のヒミツ。
「きゃっ」
走っていたあたしは、何かにぶつかってしまった。
俯いてて、前をよく見てなかったから。
謝らなきゃいけないけど…。
今、顔を見られたら困る。
「ごめんなさいっ!!」
それだけ言って、また走ろうとした、その時。
「光?」
「…え?」
名前を呼ばれるなんて予想してなくて、あたしは思わず顔を上げた。
…どうしよ。
あたし泣いてるのに。
気付いた時にはもう手遅れで。
その人はあたしを見て、目を見開いた。