メガネ君のヒミツ。
「ど、どうしたの!?」
「どうしたの、って…。早く行かないと遅刻するよ?」
彩未が呆れた顔で言うから、あたしは苦笑い。
…そうか。そうだよね。
走ってきたのに、遅刻しちゃったら意味がない。
「光がまさかここに来るとは…」
「えへへ」
「…不安だ」
「大丈夫だって!!」
彩未が不安に思うのには理由がある。
この高校は、頭がいいと有名な学校なんだけど。
あたし、実は頭が悪くて、この学校に来れたのは奇跡だといわれてる。
でも、合格したのは事実だから、実力だと思うんだけどな…。
この学校に来たかったのは、彩未と一緒の高校が良かったから。
だって、幼稚園から一緒の親友と、今更離れるなんて、あたしは無理なんだもん。