メガネ君のヒミツ。



ボーっとしたまま、時間だけが流れてゆく。




授業になんて、全然集中できないよ。




ずっと…このままなのかな。




「光。職員室に行って来るね。」




「うん」




放課後になり、彩未は早速先生に呼ばれたみたい。




あたしは机に肘をついて、またボーっとする。




帰ってくクラスメイトをぼんやりと眺める。




…涼の姿は、もうない。




待たれるのが嫌だったはずなのに。




あんなに嫌で嫌で仕方がなかったのに。




寂しいなんて思うあたしは、重症だな…。




「…っ」




零れそうになった涙を、必死でこらえた。




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