メガネ君のヒミツ。
5.命令
目の前にいる涼は、本当に別人で。
ただ…メガネをしてないだけなのに。
印象が、全く変わってしまう。
「…大丈夫か?」
そう言って、あたしに近付いて来る涼。
あたしは、咄嗟に一歩後ずさった。
「…怖がんな」
その声が切なくて。
とても悲しそうに見えて。
胸が、ズキッと痛くなった。
「ごめんっ…」
怖いわけじゃないの。
ただ、頭の整理が出来ないだけ。