静流の恋
たまらずぼくは静流を抱きしめた。
「あ、ちょっとちょっと、きたないよっ! わたしのからだ、もうほとんど腐っちゃってるし。ホラ、制服汚れちゃう・・・」
慌ててぼくを引き剥がそうとする静流に、キスをした。
初めてじゃないのに、静流はまるで初めてのようにからだを硬くし・・・
それからゆっくりと、ぼくの背中に腕を回してきた。
ぼくは静流の唇を軽く噛むと、舌を静流の歯に、舌に絡ませた。
静流もそれに応えてくれた。
長い間、ぼくたちはそうしていた。
最後に、ぼくはそっと、静流の舌の先っぽを噛んだ。
それは簡単にちぎれて、ぼくの口の中に留まった。
それをゆっくりと飲み込んだ。
静流が、ぼくのからだの中を落ちてゆくのを感じながら。

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