静流の恋
「へへへ・・・しゃーわせ・・・ねえ」
「ん?」
「おなか・・・大丈夫?」
「ん、もう平気」
「そっか、よかった」
「・・・。」
「ねえ」
「うん?」
「あたし、神サマに謝らなくちゃ・・・」
「どうして?」
「いつか・・・神サマに文句・・・言ったでしょ? ・・・覚えてる?」
「うん。中途半端なことしやがってって」
「ふふ・・・あれ、訂正」
「どうして?」
「だってさ、あたしは・・・死んでからもたっくさん・・・大好きな人と、いられたんだもの・・・たっくさん、新しい思いでもできたし・・・それにね」
「うん」
「ここにきて、・・・あたし、ずうっとお願いしてたの・・・やっぱり、どうしても・・・最後に・・・もう一度だけ・・・あの人に、会いたいです・・・って」
「うん」
「・・・そしたら、かなっちゃった・・・あたしゃもう・・・幸せすぎて、困っちゃう・・・よ・・・」
 ぼくはうずくまって静流のからだを抱いた。
「・・・だめだよ・・・もう、あたしのからだ・・・こんなになっちゃった・・・から・・・」
「いい」
「・・・またおなか・・・こわしちゃう・・・よ・・・」
「いいんだ」
「へへへ・・・」
「・・・ね、静流」
「ん~・・・なあに?」
「ぼくも、静流が、死んでからもずっといてくれて、うれしかった」
「・・・えへへ・・・うれしいな・・・ねえ」
「ん?」
「ちょっと・・・ごめん・・・寝そう・・・」
「うん、いいよ。ぼくはずっとそばにいるから」
「・・・えへへ・・・」

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