静流の恋
ある日、いつものように汗まみれで帰宅したぼくは、玄関を開けたとたんクラッカーの破裂音に襲われた。
「うわっ!」
「おっかえり~! きょうも一日ごくろうさんっ!」
そう言って笑う静流の頭には、どこから引っ張り出したのかパーティー用の三角帽子がちょこんと乗っかっていた。
「な、なんのプレイすか、それ。つーかその前にマジで心臓停止しかけたんだけど」
「いーからいーから、ささ、こっちこっち」
ぼくのささやかな抗議にはまったく耳を貸さず、静流は全開の笑顔で腕を引っ張ってくる。
あわてて靴を脱ぐとぼくはそのまま半ばひきずられるように家の中へ。
リビングに一歩入り、ぼくは言葉を失った。
幼稚園のお遊戯会でもここまでは、というほどの、見事な飾り付けが部屋中にほどこされていた。
色とりどりの折り紙で作られた輪っかのクサリが天井にアーチを作り、お花紙(なつかしっ!)で作られた白とピンクの花が床を埋め尽くしている。
きわめつけは、テーブルの上にどどんと乗った、巨大なスポンジケーキ。
「うわっ!」
「おっかえり~! きょうも一日ごくろうさんっ!」
そう言って笑う静流の頭には、どこから引っ張り出したのかパーティー用の三角帽子がちょこんと乗っかっていた。
「な、なんのプレイすか、それ。つーかその前にマジで心臓停止しかけたんだけど」
「いーからいーから、ささ、こっちこっち」
ぼくのささやかな抗議にはまったく耳を貸さず、静流は全開の笑顔で腕を引っ張ってくる。
あわてて靴を脱ぐとぼくはそのまま半ばひきずられるように家の中へ。
リビングに一歩入り、ぼくは言葉を失った。
幼稚園のお遊戯会でもここまでは、というほどの、見事な飾り付けが部屋中にほどこされていた。
色とりどりの折り紙で作られた輪っかのクサリが天井にアーチを作り、お花紙(なつかしっ!)で作られた白とピンクの花が床を埋め尽くしている。
きわめつけは、テーブルの上にどどんと乗った、巨大なスポンジケーキ。