悲しい結末のワケ
教室のドアを開けて、ちっちゃい声で卓を呼んだ。

「卓。」

あっ、気付いた。

「まな、どした?
迎えにきたの?今日一緒に帰る?」

ぐっ、そうしたい。。
でも、ゆきのにお茶おごんなきゃ・・。

「今日はゆきのとお茶して帰る約束してたから・・。卓も一緒に行く?」

「そーなん?じゃ俺はいーや。明日は俺とお茶しよーぜ。な?あとでメールすっから。じゃあな。」

そういって、教室に戻ろうとした卓の袖を思わずぎゅっと掴んだ。

「!?ん?」

「あっ、絶対夜メールして・・」

別にそんなこと言わなくてもよかったんだけど、一秒でも長く卓と喋っていたかった。

そんなあたしの気持ちに気付いたのか、卓はあたしの頭をぽんぽんっと叩いて教室に入っていった。

「ゆきの、だいじょぶかな?」

一人呟いて保健室に走った。

< 20 / 29 >

この作品をシェア

pagetop