星に願いを メイドにカチューシャを

部屋に入り、メイド服に身を包むと、プライベートなことは自然と頭から消えていく。

時計をチラチラ確認しながら、“スタート”の17時に間に合うようにでベッドにタオルをひくときなんか、ほとんど無心に近い。


ベッド、よし。

ローション、よし。

タオル、よし。


一通り指差し確認を済ませた後は、グロスがとれないように慎重にお茶を口にふくみ…

鏡でメイクをチェック。よし!


大変身した自分の姿にニンマリし、そんな自分を気持ち悪いとどこかで思いながらも、この感覚…やめられない。


「すなおです。準備できました。」




――すなお。



それが私の名前。


もう1人の私の、名前。




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