レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
あたしは目をしょぼしょぼさせながら、とりあえず林田さんに近づく。
「よ…良かった。枕営業ついに来たかと思いました」
「だから、お前はどこまでポジティブなんだ」
そう返しながらも、いつもほどのパワーがない。
林田さんは引き出しから、茶封筒を取り出した。
極秘の書類を匂わすような、封筒だった。
「開けてみろ」
…え、なんだか怖い。
あたしは、躊躇いながらも仕方なく手を伸ばした。
封筒は、ぺったんこ。
中身入ってないんじゃないかと思うぐらい。
軽く糊付けされている封を切って、中に手を入れる。
一枚の紙の感触。
…そっと、引き出した。
――中には、FAX用紙が一枚だった。
ごくり、と唾を飲み込んで、目を通す。
「……えっ。」