レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
壮大さに呆然としていたあたしに、ケイくんが声をかけた。
はっと振り向くと、皆は入口のほうへとさっさと歩き出している。
…冷たい。
「わわ、待ってくださ~い!」
「慌てなくていいよ」
ケイくんが微笑みながら、一緒に歩いてくれた。
――つくづく、ケイくんは優しい。
黒髪に白い肌、いつ見てもキレイに整っている。
服も、パリッとした白いシャツに上品なブラウンのジーンズ。
こんなに清楚に、格好よく着こなせるのはケイくんぐらいだ。
対して、
「遅いんだよ、雑用係」
偉そうに腕組みしながら、そんな言葉を吐く。
…しょーごさんとは、見た目も性格も大違いだ。
「すいませんね」
ちょっとムッとしてそう返すと、しょーごさんの横にいたワタルが笑顔で言った。
「わかりますよ、アリーナ興奮しますよね。チアさんもlabyrinthのライブ来たことあるんですか?」