レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
僕は鞄の中から、ポケット充電器を取り出した。
「はい。充電満タンだから使っちゃっていいよ」
受け取ってさっそく充電口に差し込みながら、しょーごが感心したように言った。
「サンキュ。…さすが、用意周到だな。ホントにATMみたいだ」
「褒め言葉だね」
はは、と笑って、鞄のチャックを閉めた。
――きっと、しょーごは知らないだろう。
…ATMみたいな僕でも、めちゃめちゃ緊張するときがあるんだ、ってことを。